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アセトアミノフェン製剤に重大な副作用が追加
 厚生労働省は2023年1月17日、解熱鎮痛薬のアセトアミノフェン含有製剤(経口薬、注射薬、坐剤)について、添付文書の「重大な副作用」の項に「薬剤性過敏症症候群」を追記するよう改訂を指示する通知を発出した。
 今回、医薬品医療機器総合機構(PMDA)における副作用等報告データベースに登録された薬剤性過敏症症候群の国内症例を評価したところ、アセトアミノフェン(商品名カロナール他)の経口薬、坐剤、注射薬にて計44例が報告され(うち、因果関係の否定できない症例6例)、転帰死亡症例が3例(うち、因果関係の否定できない症例0例)見られていた。
 薬剤性過敏症症候群の原因薬剤には、抗てんかん薬、アロプリノール(ザイロリック他)、サルファ薬、メキシレチン塩酸塩(メキシチール他)、ミノサイクリン塩酸塩(ミノマイシン他)などがあり、原因薬剤を使用している1000人から1万人に1人発症するとされる。
広範囲の皮膚が赤くなる、高熱(38℃以上)、咽頭痛、全身倦怠感などが見られ、症状が持続したり、急激に悪化したりする。通常の薬疹とは異なり、投与後2週間以上たってから発症することが多く、また原因薬剤中止後も何週間も続き、軽快するまで 1カ月以上の経過を要することもある。
 その他、クロピドグレル硫酸塩(プラビックス他)とクロピドグレル硫酸塩・アスピリン(コンプラビン他)では、「重大な副作用」の項に「インスリン自己免疫症候群」の追記が指示された。
また、ビスホスホネート系薬(骨粗鬆症の効能を有する製剤)は、高度な腎機能障害患者(推算糸球体濾過量[eGFR]30mL/分/1.73m2未満)で、低カルシウム血症のリスクが増加したとの報告から「慎重投与」の項に、「重篤な腎機能障害のある患者」を追記することが指示されている。
[参考資料]
厚生労働省「「使用上の注意」の改訂について」 医薬品医療機器総合機構「アセトアミノフェン含有製剤(経口剤、坐剤、注射剤)(医療用)の「使用上の注意」の改訂について

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